縞枯山~茶臼山
2016年 01月 23日
白いガスに包まれて、痛みすら感じる凍てつく風に向かいながら、時折覗く太陽や展望に一喜一憂した山行。
北八ヶ岳の縞枯山~茶臼山は、ロープウェイでお手軽に行ける山とはいえ、本格的な雪山の片鱗を味わえました。
2015年1月11日(月)
前日の蓼科山の後に大ベテランのKさん宅に一泊させて頂き、この日はKさんと共に北八ヶ岳の縞枯山(しまがれやま)に行く事にしました。
実はKさんとは1年前に偶然知り合って北横岳にご一緒させて頂いた事があるのですが、この度ようやく再会が実現したのでした。
1年ぶりの北八ヶ岳ロープウェイは、祝日という事もあって朝から賑わっています。
異常気象のような暖冬のせいで雪が足りない(当時)ようですが、それでもスキー客等でいっぱいでした。
雲の多い空の下ですが、南アルプスや、中央アルプスの白い屋根も、クッキリと見えていました。
ロープウエィから降りると、山頂駅は一気に標高2237m。
一面雪の別世界でした。
雪の全く無い山麓駅からは想像出来なかった積雪ぶりで、辺りはホントに真っ白です。
10:00、早速アイゼンを装着して白いガスに包まれた縞枯山を目指して出発しました。
賑わう坪庭を横目に雪道を進んでいきます。
ひたすら真っすぐ・・・
起伏の無い雪の道を、真っすぐに進みます。
15分ほど歩くと、縞枯山荘が見えて来ました。
右手にガスに包まれた縞枯山を見ながら、さらに雪の平地を進んで行きます。
そして10:23、雨池峠が見えて来ました。
女性の方が冬靴じゃないので寒さで足が痛いという事で、この後を検討しているカップルさんです。
私も3シーズン用の靴と靴下だったので、この時も実は足先が寒く感じていました。
その後歩き続けていると気にならなくなりましたが、やっぱり手軽な雪山とはいえ、甘く見てはいけないんだなあ~と思わされました。
さて、雨池峠を曲がってからは、樹林の中の急坂を登って行きます。
ずっと木々に覆われた、これもまた真っすぐな急坂が続きます。
おおっ~! 坂のゴールと共に青空が広がっています。
11:04、縞枯山山頂(標高2403m)に到着しました。
あっけなく着いた、木々に囲まれ展望の無い山頂ですが、またしてもだんだんガスに覆われて周りは真っ白になってきます。
日差しが無くて凍える寒空の下、寂しそうに佇んでいる誰かが作った雪のオブジェ。
山頂広場は見るべきものも特に無いので、展望台の方に進んで行きます。
なだらかな山頂を進んで行くと、ガスが流れて青空が見えたり隠れたり。
ああ~ やっぱり天気予報通りにお昼過ぎまでは晴れないのかなあ~
白いガスの向こうに、時折見える青空や遠景が悩ましい。
立ちながら枯れている木々が、縞模様になって見える事から縞枯山というそうですが、雪が積もっていると縞模様は分かり難いようです。
白いガスに包まれた縞枯山。
しかし、時々思い出したかのように青空と日の光を覗かせてくれるのです。
その光差す瞬間に、カメラを取り出して写真に収めるのですが、そんな瞬間はごくわずかでした。
展望台(正面先の岩のある場所)への分岐に着いた時も、辺りは一面真っ白。
時々辺りのガスが晴れて、分岐から見える茶臼山の上にも、大きな雲がかかっています。
展望台付近は依然としてガスに包まれたままだったので、このまま茶臼山に向かう事にしました。
茶臼山での天候の回復を願いながら、縞枯山を下りていきます。
茶臼山に着く頃にはガスも晴れてくるに違いないと、半ば確信のように願い思っている私がいました。
縞枯山から下り切ると、今度は茶臼山への急坂を登ります。
そして12:01、突然なんの前触れもなく茶臼山山頂(標高2384m)に到着しました。
山頂は、狭くて周りを木々に囲まれた場所なので、茶臼山は展望台に行かないと面白くないらしいです。
さて・・・物凄い強風が吹き荒れる展望台に着いてみると、見事に真っ白なガスの中でした。
茶臼山に行けば晴れているなんて、なんでそんな風に思っていたんだろう・・・
数人いたグループも、冷たく荒れ狂う強風とガスの中で記念写真を撮った後は、早々に引き上げて行ってしまいました。
あきらめ切れない私は、吹き荒れる物凄い風に逆らいながら展望台に登り、しばらく粘ってみる事にします。
日差しが無く、痛みすら感じる凍てつく暴風に、体温がどんどん奪われていきます。
せっかくなので、ここで記念撮影を。
と・・・そんな風に15分くらい頑張って粘っていると・・・
だんだんガスが晴れてきて、厚い雲の下にはスッキリとした展望が広がって来たではないですか!!
北西にはどっしりした縞枯山が見えています。
入笠山から先の南アルプスの山々の手前には、雲に覆われた南八ヶ岳。
雲が晴れるかとしばらく待ってみましたが、南八ヶ岳の山容は厚い雲に覆われたままで、見る事は出来ませんでした。
吹き荒れる冷え切った強風の中にいる事を忘れて、感動の展望をいつまでも眺めていたい気分です。
しかし、同行のKさんに「あまりここに居続けると顔が凍傷になってしまいますよ。」
と言われて、気づかなかった寒さの恐ろしさを感じました。
もっと居たかったのですが、気が付くと23分間ここに滞在していたので、これで早々に引き上げる事にします。
そしてエネルギー補給の為に軽く食事をする事にしました。
樹木に囲まれた山頂まで戻っておにぎりを食べたのですが、ビックリした事に、口が思うように動かず食べるのにも一苦労。
自分が思っているよりも、身体にはダメージがあったんだなあ~と、改めて思い知らされた次第でした。
さあ、後は茶臼山を下ってロープウェイまで戻ります。
正面に見えるのは縞枯山。雪がなければ縞枯れ現象がよく分かるとの事でしたが、イマイチよく分かりませんね。
空を見上げると、やはり天気予報通り、午後からだんだん晴れてきた感じです。
そして、ざざざざぁ~ ざざざざぁ~ と、まるで潮騒の音のように鳴っている、風に吹かれる木々の枝葉。
山に居るのに聞こえてくる、この波の音が心地よく、とても安らかで不思議な気持ちでした。
右手には縞枯山。
左手には茶臼山です。
ちなみに、山頂から少し下にある大きな岩のある所が、先程まで居た展望台です。
正面には入笠山などの南アルプスが見えています。
潮騒の音が広がる、何とも心安らぐ気持ちのいい下り道でした。
さらに、五辻を経てゆるやかな道を進みますが、振り返ると木々の向こうに南八ヶ岳の山々が見えていました。
13:45、樹林帯の登山道途中にある、森林浴展望台に到着。
気持ちのいい展望が開けています。
南アルプスから中央アルプスが広がる大展望ですね。
森林浴展望台とは・・・新緑の季節とかだと、また違った風景を見せてくれるのかなあ~と思いながら、光差す大展望を味わっていました。
そして、展望台を後にして樹林帯を抜けると、開いた景色の左には霧ヶ峰などの山々が広がっていました。
さらに進むと、正面にはロープウェイ山頂駅と北横岳です。
そして、ようやく馴染のある風景が目の前に見えて来ます。
後は真っすぐ歩くと、ゴールのロープウェイ山頂駅に到着ですね。
14:27、ゴールの山頂駅前に到着しました。
雪山歩きも無事終了。
お疲れ様でした~
いやあ~ 最後は寒くてトイレに行きたくなって困った困ったw
さて、アイゼンを外し、トイレを済ませてホッとした後は、駅の中にあるカフェに入って一息つく事にします。
今日の登山を振り返って、感慨にふけりながらゆっくりとカフェタイム。
温か~いココアを飲むと、身体の芯から温まるような気がします。
平気な様でも、やっぱり身体は凍えてたんだなあ~と、改めて思いました。
そして、一休みして温まった後は、ロープウェイで下って行きます。
流れる車窓からの縞枯山と、その奥に見える南八ヶ岳の山々。
ああ~ 縞枯山や茶臼山では雲がかかって見えなかった南八ヶ岳が、こんなにもハッキリと見えるんだなあ~。
広がる大展望もわずか7分、もうすぐロープウェイの山麓駅に到着です。
楽しかったなあ~
普段ほとんど家族か単独でしか登る事が無いせいもあってか、Kさんとの同行というのも新鮮に感じました。
縞枯山~茶臼山は初級者が手軽に行ける山ですが、本格的な雪山を体験出来るとっても魅力のある山だと思いました。
また機会があれば、縞枯れ現象が見える季節にも来てみたいなあ~と思います。
【GPSデータより】
時刻:出発10:00 到着14:27
合計時間:4時間27分(休憩約40分を含む)
合計距離:5.7km
標高:最高点2403m 最低点2146m
累積標高:上り329m 下り331m
撮影機材:CANON EOS 5D Mark II +SIGMA 24-35mm F2 DG HSM | Art
by zbjsower
| 2016-01-23 21:18
| 登山・山
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